- Event Report -
第40回
京橋時代に花開いた魯山人芸術
2023/04/19 (水) 18:30~20:00
しぶや株式会社 黒田陶苑代表 黒田 草臣 氏
3歳の時、大田神社の紫の杜若(かきつばた)や神宮寺山の真っ赤な躑躅(つつじ)を見て初めて美を意識した北大路魯山人。養父母を転々として20歳の時、まだ見ぬ生母に会うために、さらに書を極めたいと上京した先が京橋でした。生活のため京橋区桜橋(現 中央区)で書道教室を開き、翌年、日本美術協会の六書会展に隷書千字文を出品して褒状一等賞を受賞して、独歩の道を選びました。その後、朝鮮半島と中国へ渡り帰国後、再び京橋で書と篆刻、刻字看板で名を上げ、滋賀、京都、福井、金沢での食客時代に名作を残しました。大正8年には京橋2丁目で古美術店「大雅堂」を開店させ、翌々年にはその2階で会員制料理屋「美食倶楽部」を開業するなど、魯山人芸術の柱となる篆刻・料理・陶芸を花開かせた京橋時代の魯山人について語ります。
アーカイブ動画をご覧ください。再生ボタンをクリックすると動画がはじまります。
登 壇 者
しぶや株式会社 黒田陶苑代表 黒田 草臣 氏
1943年鎌倉生まれ。「魯山人展」「石黒宗麿展」など近現代巨匠陶芸家の企画展開催。魯山人が構えた「大雅堂」跡地に魯山人作品を扱う「魯卿あん」創業。著書に『美と食の天才 魯山人』(講談社)、『陶芸家列伝 魯山人おじさんに学んだこと』(講談社)、『極める技 現代日本の陶芸家125人』(小学館)、『備前焼の魅力探求』(双葉社)、『終の器選び』(光文社)、『名匠と名品の陶芸史』(講談社)など。沖縄藝術大学、朝日カルチャー、旅行社「魯山人紀行」、和塾の講師を勤めた。