- Event Report -
第46回
アート・ミーツ・シネマ
戦後日本の美術映画と2つの美術館
2023/10/11 (水) 18:30~20:00
国立映画アーカイブ主任研究員 岡田 秀則 氏 石橋財団アーティゾン美術館学芸員 田所 夏子 氏
戦後、日本の映画館と入場者数は拡大しましたが、その陰で記録映画の世界も新たな盛り上がりを見せ、「美術映画」という新分野も徐々に注目され始めました。「美術映画」とは、美術作品や芸術家を題材に扱ったドキュメンタリー映画のことで、戦後になり欧米を中心に製作の機運が高まっていました。ブリヂストン美術館(現アーティゾン美術館)はこの新分野にいち早く取り組み、1950-60年代に17本の美術映画を製作しました。同じ頃、近隣にある東京国立近代美術館の中にフィルム・ライブラリー(現国立映画アーカイブ)も誕生し、一般に向けた上映会で国内外の「美術映画」を紹介していました。戦後急速に発展した「美術映画」と、2つの美術館の関係をお話いたします。
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登 壇 者
国立映画アーカイブ主任研究員 岡田 秀則 氏
1996年より東京国立近代美術館フィルムセンター(現・国立映画アーカイブ)に勤務。映画のフィルム/関連マテリアルの収集・保存や上映企画の運営などに携わり、2007年からは映画展覧会のキュレーションを担当。単著に『映画という《物体X》フィルム・アーカイブの眼で見た映画』(2016)、編著に『そっちやない、こっちや 記録映画監督・柳澤壽男の世界』(2018)、監修書に『映画ポスターの歴史』(2019)、『昭和の映画絵看板』(2021)など。
石橋財団アーティゾン美術館学芸員 田所 夏子 氏
2005年よりブリヂストン美術館(現アーティゾン美術館)学芸員。近年企画・担当した展覧会に「創造の現場―映画と写真による芸術家の記録」展(2023年)、「はじまりから、いま。1952-2022—アーティゾン美術館の軌跡」展(2022年)、「ジャム・セッション 石橋財団コレクション×森村泰昌 M式「海の幸」—森村泰昌ワタシガタリの神話」展(2021年)など。